収入保険
収入保険の仕組み
補償対象は
農業者が保険期間に生産・販売するすべての農産物の販売収入が対象です。
- ・簡易な加工品(精米、もち、梅干し、干し大根、乾しいたけ、牛乳等)も含まれます。
- ・一部の補助金(畑作物の直接支払交付金等の数量払等)は含まれます。
- ・肉用牛、肉用子牛、肉豚、鶏卵は、マルキン等の対象なので対象外です。
加入できる農業者は
青色申告(簡易な方式を含み、現金主義による特例を除く)を行い、経営管理を適切に行っている農業者(個人・法人)です。
保険期間の前年1年分の青色申告実績があれば加入できます。
保険期間は
収入減少が発生した時に、保険金等支払いの対象とする期間であり、税制度における収入の算定期間と一致させるため、個人の場合は1月から12月、法人の場合は事業年度の1年間です。
補償の範囲は
自然災害による収量減少に加え、市場価格の低下など農業者の経営努力では避けられない様々なリスクを補償します。
加入手続きは
農業者が保険期間開始前までに、保険料・積立金・付加保険料(事務費)を納入することで加入できます。
- ・保険料は掛捨てですが、50%の国庫補助があります。
- ・積立金は自分のお金なので、補てんに使われなければ、翌年へ持ち越されます。75%の国庫補助があります。
- ・付加保険料(事務費)は、必要な事務にかかる経費をご負担いただくもので、50%の国庫補助があります。
- ・インターネット申請した方や自動継続特約で契約を更新した方は、付加保険料(事務費)が割引となります。
保険金・特約補てん金の支払いは
保険期間の収入が基準収入の9割(5年以上の青色申告実績がある場合の補償限度額の上限)を下回った場合に、下回った額の9割(支払率)を上限として補てんします。
- ・基準収入とは、補てんの基準となる額で、加入者ごとの過去の平均収入(最大5年)と規模拡大等を考慮した保険期間に見込まれる見込農業収入金額のいずれか小さい額とします。
- 収入保険の補てん方式(5年以上の青色申告実績がある場合)
保険料・積立金・付加保険料(事務費)、保険金等の試算
- 基準収入1,000万円、補償限度90%(保険方式80%、積立方式10%)、支払率90%を選択した場合(新規加入、インターネット申請なし、保険料率1.179%)
- 保険料 8.5万円(掛捨て)
積立金 22.5万円(掛捨てでない)
付加保険料 2.2万円(うち初年度割1,300円は2年目以降不要。自動継続特約を利用すると翌年度契約から1,000円引き)
収入減少の程度 (保険期間の収入) |
補填金(保険金等)の合計 ①+② |
保険方式(保険金) ① |
積立方式(特約補てん金) ② |
補てん金を含めた当年収入 (対基準収入) |
---|---|---|---|---|
20% (800万円) |
90万円 | 0万円 | 90万円 | 890万円 (89%) |
30% (700万円) |
180万円 | 90万円 | 90万円 | 880万円 (88%) |
50% (500万円) |
360万円 | 270万円 | 90万円 | 860万円 (86%) |
100% (0万円) |
810万円 | 720万円 | 90万円 | 810万円 (81%) |
つなぎ資金の貸付け
収入保険の保険金等の支払いは保険期間の終了後となることから、保険期間中の資金繰りに対応するため、自然災害による出荷量の減少や価格、品質の低下により保険金等の受取りが見込まれる場合に、無利子のつなぎ資金の貸付けを受けることができます。
なお、つなぎ資金の償還は、支払われる保険金等を充当して行うことを原則としています。