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子牛の呼吸器病を予防する

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呼吸器病には主に”カゼ”や”肺炎”などと言われるものがあり、腸炎(いわゆる下痢)と並んで子牛で多く見られる病気です。そのなかでも環境や病原体、子牛の免疫など様々な要因が複雑に絡み合って発症するものを牛呼吸器症候群(BRDC)と呼びます。今回は子牛の成長に大きく影響する呼吸器病についてのお話です。

呼吸器病の原因は?

呼吸器病は、環境からのストレスがかかった状態の時にウイルスや細菌が鼻やのどの粘膜に侵入すると感染が成立し、周りの牛にも広がっていきます。初乳の給与不足があるとより病気にかかりやすくなります。ほとんどの場合ウイルスや細菌の単独ではなく複数が原因となっていて、気付かずにいると症状が複雑化、重篤化していきます。

どんな症状がある?

主な症状は咳や鼻汁、発熱とそれに伴う活気や食欲の低下ですが、マイコプラズマの感染では中耳炎をおこし、耳が垂れ下がったり頭を頻繁に振ったり首を傾けるなどの症状が見られることもあります。
治療は抗生物質や解熱剤が中心となりますが、中耳炎を併発した場合は耳の内部洗浄が必要なこともあります。

まずは快適な飼養環境を

まずは、子牛がのどを痛める原因となるアンモニアの発生を抑えることが重要です。そのためには十分な換気とこまめな敷料の交換が必要です。冬場は換気が難しくなるので、天気の良い昼間にしっかり換気することを意識し、敷料も多めにしてできるだけ交換頻度を増やしましょう。アンモニアを吸収する薬品を利用するのも良いでしょう。
また、十分な飼養面積を確保することも大切です。100㎏以下の子牛では一頭あたりおよそ1.0㎡程度のスペースが必要と言われています。

中耳炎で左耳が下がった子牛。軽度の斜顎も見られる

丈夫な子牛を作る

病気にかかりにくい子牛を育てるために重要なのは初乳の給与です。初乳に含まれる免疫グロブリンは、生後24時間を超えるとほとんど吸収できなくなります。目安として6時間以内に2㍑、24時間以内にさらに2㍑程度の給与が必要です。補助として初乳製剤を利用することも有効です。また、妊娠後期の母牛の栄養状態も重要です。分娩1か月前頃からの配合飼料の増給は、子牛の自己免疫に大きく寛容する胸腺の発達を促します。さらに母牛にワクチン接種することで移行抗体の上昇が期待できます。

ワクチンの有効利用

呼吸器病の原因となるウイルスや細菌に対して有効なワクチン接種をすることは、発生や蔓延を抑え感染した時の症状の軽減に有効です。現在は鼻腔内投与型ワクチンも販売されていて、注射型のワクチンと併用することでより高い予防効果を得ることができます。ワクチンプログラムについてはNOSAI獣医師に相談してください。

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空知中央家畜診療所
河内 克彰

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